枚方公済病院シリーズ:褥 瘡(じょくそう)
体の一部に一定以上の強さの力がかかり続けると、表面を走る毛細血管が圧迫されて血流が乏しくなり、その部分の皮膚(深くなると皮下組織・筋肉まで)が壊死(えし)してしまいます。これが褥瘡(いわゆる床ずれ)です。
通常は痛みや違和感を自覚して姿勢を変えたり、寝返りを打ったりして自然と圧迫を回避しています。しかし、感覚が鈍磨していたり、自力で寝返りが打てない状態では圧迫を適切に回避できずに褥瘡が生じやすいです。好発部位は骨が出っ張っている部分で、仙骨部(せんこつぶ・お尻のまん中の少し上)・大転子部(だいてんしぶ・左右の腰骨の辺り)・かかと・肘などです。
赤くなって褥瘡の兆しが見られれば、圧迫を回避しつつ周りからマッサージしたり、少し温めたりして血行を促進します。褥瘡ができてしまうと、壊死組織を取り除きながら皮膚や皮下組織の再生を促すようにドレッシング材を貼ったり外用剤を用います。元々血流が悪くなっている部分に褥瘡ができると完治は困難ですし、栄養状態が悪かったり感染を合併すると病変が悪化します。
加齢や疾患から身体機能が低下すると体位変換を繰り返しても褥瘡の完全な回避と治癒は困難で、処置を繰り返しながら悪化を防いでいる場合が多いです。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科
枚方公済病院
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