枚方公済病院シリーズ:誤嚥による窒息
小児と高齢者に多いですが、食べ物が喉に詰まって呼吸困難に陥ることがあり、すぐに改善されないと危険です。食べ物が気管の入口を塞ぐ場合と気管内に入り込む場合があります。原因として小児(特に4歳以下)では咀嚼(噛む)と嚥下 (飲み込む)力の弱さや嚥下時の慌てた行動、高齢者では加齢や疾患による咀嚼・嚥下機能の低下があります。早食い競争(絶対にやめましょう)で食べ物を喉に詰め込み過ぎても起こります。
予防が大事です。食べ物の性状(弾力がある・滑りがよい・粘着性・固いものは危険)と、大きさに注意が要ります。食べ物を選ぶ、小さく刻む、よく噛む、嚥下時はゆっくり、かつ顎を引いて下を向く(上を向くと気管に入りやすい)など工夫があります。呼吸困難に陥れば救急車を呼びながら食物除去を試みます。背部叩打法・腹部突き上げ法などの処置を本やインターネットの資料などでご確認ください。反応が無くなれば蘇生処置(胸骨圧迫な ど)が必要です。
お餅を食べる習慣から毎年、1月は高齢者の窒息の救急搬送者が約4倍に増え、亡くなる方も多いです。驚くほど大きなお餅がそのまま喉から出てきます。油断せずにお餅は初めから小さく切るか、小さく噛みちぎってから口に入れましょう。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科
枚方公済病院
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