枚方公済病院シリーズ:急性腎不全
腎臓は血液中にある不要な老廃物や水分から尿を作ります。腎臓機能が強く障害されると腎不全といわれ、進行すると体に不要な老廃物がたくさんたまって、尿毒症という命に関わる状態になります。数日から数週間の短期間で起こる急性腎不全と、長年かかって進行する慢性腎不全とがあります。
急性腎不全の原因は3種類あります。
1つ目は腎臓への血流低下によるもの(腎前性)で、脱水・多量出血・他疾患の高炎症による血圧低下・心機能障害などがあります。
2つ目は腎臓自体の傷害(腎性)で、薬の副作用・特殊な自己免疫病などがあります。
3つ目は尿の排泄障害(腎後性)で、腫瘍・膀胱の機能障害・高度な前立腺肥大などがあります。
急性腎不全が高度になると少なくとも一時的に透析が必要になることもあり、原因疾患を治療しながら腎臓の回復を待ちます。早めに対応することで多くは回復しますが、腎障害を残したり維持透析が必要になることもあります。
急性腎不全による症状は浮腫・倦怠感・食欲不振・尿量減少などですが、むしろ原因疾患の症状が主体になることも多いです。体調不良が強いときは医療機関に早めに相談しましょう。次回は慢性腎不全についてお話します。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科
枚方公済病院
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