こどもの心理を知ろう:葛藤(2)
前号では葛藤のタイプと簡単な事例を説明しました。今号ではそれぞれの葛藤のタイプの問題点を列挙します。
(1)プラスとプラスの葛藤(幸せな葛藤)。
一般的には選択は簡単ですが一つを選んだ後、選択を間違えたかもしれないという心残りが強くなり、後に再び葛藤して悩む原因となります。こんな時、人間は自分の選択が正しかったことを証明する為に「合理化」をします。合理化とはイソップ物語のように、森で狐がブドウを獲ろうとしますが高いところにあって手が届かない。その時に「あのブドウは酸っぱいに違いない」と、自己防衛をする心理です。
(2)プラスとマイナスの葛藤(強度の葛藤)
ここでの問題点は心の中にある道徳心や良心と、行動した後の結果を予測して不安になったり、恐れたりする「長期的欲求不満状態」に陥りやすいことです。決断の日が近づくにつれ人間はマイナスの方を選ぶ確率が高くなります。
(3)マイナスとマイナスの葛藤(苦渋の葛藤)
この場合は、逃げるか、逆に仕方ないと我慢し、挙句の果てに過度な精神的ストレスをため込み、神経症やうつ病になる深刻なケースです。気を付けてください。
こころの教育Q&A こどもの心理を知ろう
関西カウンセラーズ研究会
心理分析室 深田昭一(上級教育カウンセラー)
元暴走族から更生、教師を経てカウンセラーに転身。現在、カウンセリング、並びに各地での講演活動を実践。テレビ、ラジオなどにも出演。