枚方公済病院シリーズ:パーキンソン病
罹患率の高い神経難病にパーキンソン病があります。60歳以上で100人に1人もの人が発症し、今後も増加するとされます。原因は不明ですが、中脳の黒質という部分の細胞が減って脳内のドーパミンが不足します。
症状ですが、まず片側の手足の安静時の震えや筋肉のこわばりが出てきます。その後は反対側にも同症状が出て、数年かけて緩徐に全身の運動機能障害が進行していきます。体全体の固縮が進むとスムーズな動きが難しくなり、小刻みな歩行で転び易くなり、表情が乏しくなります。自律神経障害を伴って腸管の運動障害から難治性の便秘になったり、血圧の上下変動が激しくなったり、原因無く熱が出たり引いたりすることがあります。認知力低下も見られ、判断力や記憶力が低下します。
ドーパミン製剤を含めた投薬で、症状改善が見込めて予後は良好とされますが、転倒による骨折、高度な便秘からの腸閉塞、嚥下機能低下からの誤嚥性肺炎が問題になります。進行する機能障害と上手に付き合う工夫が大事です。
また、薬の副作用やほかの脳疾患でもパーキンソン病と似た症状を来す場合(パーキンソン症候群)があり、治療が異なるので医師の診断が大事です。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科
枚方公済病院
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