公立小中学生全員にタブレット配付 可能性広がる 新しい「学び」

公立小中学生全員にタブレット配付
可能性広がる 新しい「学び」
これからの時代、子どもたちにとってタブレット端末はノートや鉛筆のように、「学習するための文房具」に。
そして昨年から世界を襲い、未だ出口が見えないコロナ禍。そのような緊急事態の中でも、ICT(情報通信技術)を活用し、日々の学びが保障できるよう、整備が急速に進められています。

全国の大半の公立小中学校で、本年度中に全児童・生徒にパソコンあるいはタブレット端末が1人1台配付されることとなり、私たちの住む地域でも進められています。枚方市では、昨年9月から中学校3年生への配付を皮切りに、今年2月中には全員に配り終えます。これまでに培った教育実践に加え、「子どもたちを誰一人取り残すことなく、一人ひとりに公正に個別最適化された学びを」と、タブレットの教育現場での活用がスタートしています。
オンラインシステムで学校と児童・生徒と家庭を繋ぎ、朝の会や終わりの会の連絡や、宿題の提出、家庭へのお知らせもタブレットで簡単にできるようになります。プログラミングの学習や、朝学習などでタブレットドリルを活用したり、臨時休校の際などに遠隔授業ができるようビデオ会議ツールMeetの練習をしている学校もあります。

教育ソフト「ロイロノート」(小学校)を使った授業では、児童たちが打ち込んだ文章や画像、Web検索結果などをカードにし、つなげて考えをまとめ、アプリ内で意見や解答を発表。今までは出席順や座席順、挙手した人だけが発表していましたが、クラス全員が意見を送信することで、子どもたちの理解度が瞬時に把握できるとともに、様々な意見や発想が共有できるようになります。
保護者からは「今後、休校や災害時にも学校と家庭を繋ぐツールとして役立ち、また学習の幅も広がる」と、安心と期待の声が。同市では、欠席した児童・生徒に対して、タブレットを利用してのフォローが始まっており、これからの可能性が広がっていきます。

問題点を見据え、より良い活用を目指して

新型コロナの感染拡大で、予定より早くタブレットの配付が進められたことから、「教える」側の整備も急がれ、同市では市立全小中学校の代表と、教育委員会がオンラインでの会議などを行い、各学校での実践を共有。また、有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリングソフトを入れるとともに、タブレット使用時のマナーや、SNSの危険性を授業の中で取り上げたり、講演会を行い、タブレット使用上のルールを日々伝えていきます。
「知る・調べる」が容易になりすぎるのではないかという危うさもありますが、一つの正解でなく、様々の「最適解」を導き出す教育へと変わりつつある今、学校・保護者が共に見守り、新しい文房具として有効に活用したいものです。子どもたちそれぞれの個性や思考力を伸ばす、新しい教育の始まりです。

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