加齢とともに増える目の病気 平成18年2月1日号
「年齢とともに目が弱ってきた」とは恐らく誰もが感じる事の一つでしょう。加齢に伴う目の病気はいろいろありますが、最近最も注目を浴びているのは、『加齢黄斑変性症』です。米国では、50歳以上の失明原因の1位で、日本でも年々増えてきています。今まで、残念ながらこれといった治療法がなく、悪くなっていくのを手をこまぬいて眺めているしかなかったのですが、近年新しい治療法が登場したのです。
加齢黄斑変性症とは、網膜の中心にあり視力にも影響する『黄斑』と呼ばれる所に、もろい新生血管が生えて出血したり、網膜が委縮したりする病気です。
症状としては、視野の中心がゆがんで見えたり、暗くなったりします。ただし、最初は片方の目に起きて症状も軽いため、見過ごされる事も少なくありません。
従来の治療では、レーザーで新生血管を焼き固めたり、新生血管を外科的手術で取ってしまったりしていましたが、一昨年5月に光線力学療法という治療法が新たに承認されました。これは、光に反応する薬を体内に注射し、網膜の病変部に弱いレーザーを当てて薬を活性化させ、新生血管を壊し退縮させてしまう方法です。残念ながら視力の改善はそれほど期待できませんが、7~8割は進行を抑える事ができます。
少しでも気になる方は、片方の目を閉じて、窓の桟などの直線を見つめゆがんで見えはしないか、本を読んだ時、中心部がぼやけて見えはしないか、片目ずつ確かめてみられるとよいでしょう。
もし異常が見付かったら、かかりつけの眼科医に相談してみてください。
きたの眼科:北野保子院長
診療所では、場合により在宅医療、往診にも対応。電話予約、電話相談にも応じる。星ヶ丘厚生年金病院、そのほかの病院との病診連携を行っている。
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