今村克彦さん 講演会|共育ー共に育つということー

今村克彦さん 講演会
 共育ー共に育つということー
枚方市PTA協議会・同市教育委員会 共催

 子どもの健やかな成長のために、私たちにできることは?全国で活躍するよさこいダンスのチーム今村組を率いる今村克彦さんを迎え、2月12日、輝きプラザきららで講演会が行われました。かつて24年間小学校で教師を務め、今村組では多くの若者を指導する彼が、笑いあり涙ありの体験談を披露しました。
教育現場の疲弊を憂う今村さん。昨年32校で講演し、校長先生が最後まで話を聞いていたのはたった6校。ある学校で、私服で髪を染めた生徒らが外にいるので教師に尋ねると、「普段は登校していない生徒」と鼻で笑う始
末。それでも今村さんは「よく来てくれた、聞いていけ!」と彼らを温かく迎えます。
信じ、受け入れることで子どもは前へ進めます。給食を食べるためだけに通学していた女の子は今村組へ入り、東北の震災支援で自分の存在価値を見出しました。今はダンスや事務局の活動に専念しつつ、高校認定試験に合格し、大学進学を目指しています。
また、教師時代にあったエピソードを。常に暴力を振るっていた男の子が、同級生を傷つけてしまいます。学校全体が混乱し非難の声が上がる中、「結論はまだ出せない」と今村さんが原因を追及します。彼は家庭の事情でずっといじめられており、さらに保護者からも差別的扱いを受け、暴力行為に及ぶように。幼い妹を守り、母に心配かけぬようにと我慢を重ねる彼が同級生を傷つけたのも、母の仕事を嘲笑されたからでした。涙を流す彼を今村さんは優しく抱きしめます。目に見えない真実を汲み取り、その上で信じなければならないと話を結びました。
虚勢を張り、何も語らない子どもたち。その陰で傷つき涙する彼らがいます。理解し、寄り添い、共に歩むことが私たちの使命なのです。

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