枚方公済病院シリーズ:急性虫垂炎
手術をしなければいけない急なおなかの病気といえば、急性虫垂炎(俗に言う「盲腸」)が昔から有名です。小児に多いのですが、幼児や高齢者を含めてどの年代でも発症し、頻度は最近少し減りましたが依然多く見られます。
小腸が終わって大腸が始まる場所が盲腸で、右下腹部に固定されています。そこから下に突き出ている細い管が虫垂で、長さ約5㎝で盲端になっています。虫垂の内部に細菌が繁殖して炎症を起こすのが急性虫垂炎で、きっかけは不明のことが多いです。
ひどくなると周囲に炎症が広がり、破れて腹膜炎を起こすと命に関わることもあります。抗生剤の投与で治まる場合も多いですが、再発率も高いので常に手術治療を念頭に置く必要があります。
症状は何といっても腹痛で発熱、嘔吐、倦怠感も伴っていきます。初めはみぞおちのあたりから痛み始めることが多く、その後右下腹部の痛みが強くなっていくことが多いのが特徴です。右下腹部痛を伴う病気はほかにも憩室炎、腸炎を含めて多数あり、診断は超音波やCTの所見が決め手です。
一般に軽い腹痛の多くは自然軽快してしまいますが、押さえたり歩くとひどくなる痛みが悪化してきた場合は、医療機関に相談に行きましょう。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科
枚方公済病院
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