こどもの心理を知ろう:赤ちゃんの記憶
電車で平気で電話をかける人、我慢する人。駐輪禁止の場所でも自転車、単車を停める人、停めない人。さてこの違いはどこから生まれるのか。乳幼児精神科医の専門家ロバート・エムディは乳幼児の親の教育が、それらの行動を決めると言い、これを「ソーシャル・レファレンシング」(社会的参考)と名付けました。
これは子どもが胎内にいる時から始まっており、親が笑うと胎児も笑い、親が泣くと子どもも泣く。ここで感情の「モデリング学習」がなされている訳です。普通は2歳半から3歳時の記憶は残りますが、胎内記憶を持つ子どもがいるように、その時の記憶は海馬に根付いているという考え方です。
さて子どもを出産しました。もちろん、まだ記憶力はゼロです。しかしここで子どもの願望や不安をいつも共有し、反応してあげると、自立心や人を信頼する能力、道徳心が高まります。これが前述した大人になっての善悪の判断に違いを生みます。言わば赤ちゃんにとって親は「学びのおもちゃロボット」なのです。子どもがぐずっている時に親はスマホ中。もうここで育児放棄という虐待が始まっていることを自覚してください。
こころの教育Q&A こどもの心理を知ろう
関西カウンセラーズ研究会
心理分析室 深田昭一(上級教育カウンセラー)
元暴走族から更生、教師を経てカウンセラーに転身。現在、カウンセリング、並びに各地での講演活動を実践。テレビ、ラジオなどにも出演。