枚方公済病院シリーズ:頚椎症(けいついしょう)
頚椎はいわゆる「首の骨」で7個あって縦に並んでいます。
この骨の後ろ側半分は輪になっていて縦に並んで作られたトンネル(脊柱管)の中に頚髄(脳から続く神経本体)があって守られています。
加齢とともに頚椎自体や周りの組織(椎間板や靭帯)が変形して神経を圧迫して様々な障害をきたすようになる、これが頚椎症です。
頚椎症には、脊髄症(真ん中の頚髄本体を圧迫)と、神経根症(頚髄から左右に出る抹消神経の枝を圧迫)の2種があります。
脊髄症は、首から下の神経全体の障害が起こり得て重症です。四肢の痛み・しびれ・運動障害が出たり、排尿・排便がうまくできなくなったりもします。
神経根症は、圧迫された抹消神経の部分のみ(片側の首・肩・腕など)の痛み・しびれ・運動障害が出ます。
保存的な治療として牽引・カラーなど装具固定・温熱・局所注射・内服療法などがあり、神経の圧迫を緩和する姿勢の保持も有効です。それでも日常生活に過度の支障をきたす場合は手術が適応になります。
頚椎症は40歳以降に発症することが多く、高頻度で見られます。私も47歳にして右の神経根症を発症して付き合っています。症状が強ければ整形外科を受診しましょう。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科
枚方公済病院
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