癌(がん)医療の現在 平成22年12月1日号<副院長・内科主任部長/本合 泰先生>
癌は日本人の3大死因(癌、脳血管障害、心疾患)の一つで、日本人の2人に1人が発症し、3人に1人が癌で亡くなっています。最近の癌治療のキーワードから、癌医療の現在を説明します。
1.早期発見・早期治療…癌は早期発見することで、負担を小さく治療でき、癌死亡を避けることが可能になりますので、定期的に癌検診を受けることをお勧めします。
2.発癌危険群:癌にかかりやすいことが分かっている人を発癌危険群と言います。危険群の設定は癌によって違い、ヘリコバクタピロリ感染と胃癌、タバコと肺癌、アルコールと食道癌、慢性肝炎と肝癌などが有名です。また、肥満の人は男女とも胃癌、食道癌、膵癌などの発症リスクが高まることが分かっています。
3.分子標的薬:抗癌剤は癌細胞の増殖を抑制する一方で正常細胞も抑制するため、貧血や脱毛などの副作用があります。最近、癌細胞だけに存在する特徴的な分子を選択的に抑制する分子標的薬の開発が盛んで、既に臨床応用されています。
4.緩和医療:癌患者やご家族の心や肉体的な痛みを、上手にコントロールする医療です。本院も建て替え後の新病院では緩和ケア病棟を設置します。
癌医療は日々前進しているので、心配する前に医療機関でまず相談してください。
Dr.ノート
市立枚方市民病院院
枚方市禁野本町2-14-1 TEL072-847-2821
病院長 森田 眞照先生
医学博士 日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、 日本乳癌学会認定医、
大阪医科大学臨床教育教授
副院長・内科主任部長 坂根 貞樹先生
医学博士 日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本内分泌学会専門医・指導医、日本甲状腺学会専門医、
大阪医科大学臨床教育准教授
副院長・内科主任部長 本合 泰先生
医学博士 日本消化器病学会専門医・指導医、日本肝臓学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、
日本超音波医学会専門医・指導医、大阪医科大学臨床教育教授
副院長・外科主任部長 木下 隆先生
医学博士 日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、
日本内視鏡外科学会技術認定医・評議員、鳥取大学臨床教授
副院長・診療局長 赤塚 正文先生
医学博士 日本麻酔科学会認定麻酔科指導医、麻酔科標榜医、日本ペインクリニック学会認定専門医、
大阪医科大学臨床教育教授、大阪歯科大学非常勤講師
副院長 古川 恵三先生
医学博士 日本内科学会認定内科医・指導医、日本糖尿病学会専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医・指導医、大阪医科大学臨床教育教授