脳卒中について5~くも膜下出血~ 平成24年1月1・15日合併号/本田 雄二先生
今回は、「くも膜下出血」についてお話させていただきます。くも膜下出血の70%~80%は脳動脈瘤の破裂によるものです。
脳動脈瘤が破裂すると、これまでに経験のない頭痛が突然起こり、激しい嘔吐を伴い、意識を失うこともあります。多くは救急搬送されて救急受診しますが、まれに、独歩で普通の外来を受診し診断されることもあります。
くも膜下出血と診断がつけば、次に原因の追究のために脳血管の検査を行っていきます。動脈瘤が見付かれば、その部位、大きさ、形状、親動脈との関係などの詳細を検討し、治療方針を決めていきます。
治療の目的は、致命傷となりやすい再破裂を予防すること。神経症状が悪い場合は、手術適応でなくなります。
治療として開頭手術による動脈瘤のクリッピングと血管内治療による動脈瘤のコイル塞栓術があります。いずれも動脈瘤の破裂部に血流を行かなくすることで破裂を予防します。
当院では開頭手術による治療を原則として第一選択に検討しますが、動脈瘤の部位、形状によっては、開頭手術よりも血管内治療がより適切な場合があります。その場合は、血管内治療の専門医に来てもらい治療を行ったり、治療を行っている施設に転送したりしています。
星ヶ丘厚生年金病院
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641
医学博士・部長 高橋 務先生
医学博士・副院長 福永 隆三先生
医学博士・副院長 救急部長 森川 和要先生
医学博士・脳卒中内科 吉川 健治先生
部長 本田 雄二先生
内科部長 清水 義臣先生
医長 杉浦 史郎先生