たかが目薬、されど目薬 平成17年8月1日15日合併号
今月は、眼科の治療の中心となる正しい目薬のさし方についてお話しようと思います。目薬をさした後、のどの奥に苦いものを感じたことはありませんか?目薬は、涙の流れと同様に、目の表面(角膜・結膜)から、涙点↓涙嚢↓鼻涙管を通って、最終的には、鼻から喉に流れていくのです。そのため、目薬の種類によっては、全身に影響を与えることがあります。これを防ぐために、目薬をさした後は、最低1~2分間、目頭を押さえて、目を閉じていた方がよいでしょう。また、2種類以上の目薬を続けてさす時は5分以上間を空け、順番は薬局で指導がある場合はそれを守りましょう。
よく「寝る直前に目薬をさしても大丈夫ですか?」と聞かれますが、これは問題ありません。1回の量は、目の吸収量から考えて1、2滴で十分。それ以上さしても外に流れてしまうだけです。あふれた目薬は清潔なティッシュなどで拭き取ってください。
冷暗所保存の指示がある場合はそれに従い、特に指示がなくても直射日光を避け、なるべく涼しい所に保管します。ほとんどの目薬の中には防腐剤が含まれていますが、人によってはアレルギー反応を起こし、充血や目やにが出る時があります。こんな時は、なるべく早く眼科医に相談、診察を受けてください。
一番難しいのはお子さんへの目薬のさし方ですが、嫌がるのを無理にさしても涙で流れてしまいます。この時は、目をつぶらせて目頭に1滴落とし、まばたきをさせると自然に目の中に入っていきます。
「たかが目薬、されど目薬」なかなか難しいものですが、頑張ってみてください。
きたの眼科:北野保子院長
診療所では、場合により在宅医療、往診にも対応。電話予約、電話相談にも応じる。星ヶ丘厚生年金病院、そのほかの病院との病診連携を行っている。
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