吉田医療新聞:高血圧と腎動脈狭窄 「腎血管性高血圧」

菊薫る季節。皆様いかがお過ごしでしょうか。今回は高血圧の中でも腎臓の動脈が狭窄することで生じる「腎血管性高血圧」についてお話します。
現在日本における高血圧患者数は4千万人と言われ、皆様の中にも既に内服治療や生活指導を受けておられる方が多いのではないでしょうか。しかし治療を行っても、なかなか血圧が下がらないケースがあり、その原因の一つに「腎動脈狭窄」があります。
腎動脈が狭窄すると血圧上昇ホルモンの分泌が増えて高血圧となることから「腎血管性高血圧」と言われます。放置しておくと腎臓が悪化し、やがて人工透析が必要となることもあります。高血圧の治療を受けているのに改善されない方、安定していた血圧が急に悪化している方、50歳以上で急に高血圧になった方、左右の腎臓の大きさが違う方などは要注意です。エコー検査を行えば簡単に診断がつき、ステント治療で腎動脈を拡張すれば血圧も下がり腎臓も守られますので、心当たりがある方は一度外来受診をお勧めします。
最後になりましたが、11月23日(祝・金)に寝屋川アルカスホールにて「心疾患と慢性腎臓病について」の市民公開講座を開催します。ぜひご参加ください。

毅峰会 吉田病院(枚方市北中振3-8-14)
TEL 072-833-1831
循環器内科部長 木戸 淳道

京都府立医大医学部卒業
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医・施設代表医

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