前立腺がん3 平成23年9月1日号
さて、これまで2回にわたり前立腺がんについてお話してきました。今回は、その検診について説明します。
方法としては血液検査で前立腺特異抗原…PSAという、前立腺が産生する特殊なたんぱく質の値を測定します。この結果、異常値を指摘された場合は、すぐに泌尿器科専門医を受診し、精密検査を受けることをお勧めします。
一般的にはPSAの値が基準値4.0ng/ml(ナノグラム/ミリリッター)以上の方が対象となりますが、50歳代~60歳代前半の方では3.0ng/ml以上を対象とする施設もあります。ただPSAの値は、がん以外の原因、例えば、前立腺の炎症や前立腺肥大症でも基準値より高い値を示すことがあるため注意が必要です。
泌尿器科で行う精密検査としては、肛門から指を入れて行う触診(直腸診)や、やはり肛門から超音波の器械を挿入するエコー検査、あるいはMRI検査などを行い、これらの所見も参考にした上で、確定診断のために、最終的には前立腺の組織を採取する検査が必要です。組織の採取には、幾つか方法がありますが、肛門から挿入した超音波装置の画像を見ながら前立腺を専用の針で突いて組織を採取する針生検という方法が最も一般的です。
泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641