40歳過ぎたら、緑内障検診を 平成17年7月1日号

 先ごろ行われた調査の結果、驚くべきことに「40歳以上の17人に1人は緑内障」という結果が明らかになりました。しかも緑内障の患者さんの約8割は治療を受けていないというのです。日本人の失明原因でも、糖尿病性網膜症に次いで第2位となっています。では、緑内障とは一体どんな病気なのでしょうか?
 眼球はボールのような形をしており適度な硬さを保っていますが、この硬さを眼圧といいます。この眼圧が高すぎたり、視神経が弱かったりすると、視神経に障害が起こってしまうのです。その部分の視野は徐々に欠けていき、最後には失明してしまうこともあります。進行してから発見されても、一度狭くなった視野は、たとえ手術をしても元に戻ることはありません。ですから、早期発見、早期治療がどれほど大切か、分かっていただけると思います。
 緑内障には、突然眼圧が高くなる急性のタイプと、慢性のタイプがあります。しかし、眼圧の高い人すべてが緑内障になるわけではありませんし、逆に眼圧が正常範囲内なのに緑内障になる人もいます。これを正常眼圧緑内障といい、日本人に最も多いタイプの緑内障です。残念ながらその性格上、なかなか自分では気付きにくいのですが、最近人間ドックなどの検診で発見されることが多くなり、この病気に一番大切な早期発見、早期治療につながってきていることはとてもうれしいことです。
 たとえ緑内障でも、適切な治療を受けることにより、生涯何の不自由もなく生活される方もたくさんいらっしゃいます。ですから、40歳を過ぎたら一度検診を受けられることをお勧めします。


きたの眼科:北野保子院長
診療所では、場合により在宅医療、往診にも対応。電話予約、電話相談にも応じる。星ヶ丘厚生年金病院、そのほかの病院との病診連携を行っている。
枚方市中宮西之町15-18-101 TEL072-890-2929

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