慢性腎臓病CKD 3  平成22年10月1日号

 さて、今回は、慢性腎臓病CKDの原因となる病気についてお話したいと思います。
  CKDの病状が進行した場合、最終的には透析や腎移植を必要とする末期腎不全に至るわけですが、2009年に透析治療を開始した患者さんの元の病気(原疾患と言います)の内訳を見ると、1位が「糖尿病」、以下、「慢性糸球体腎炎」、「腎硬化症」と続いており、これら3つで全体の8割近くを占めています。
 慢性糸球体腎炎とは、糸球体という尿をこし出す部分が障害される純粋な腎臓の病気で、その割合は、学校や職場検診で行なわれる尿検査の普及により早期発見される例が増えたため、減少傾向にありますが、他の2つは逆に増加しています。 腎硬化症とは、高血圧による動脈硬化が原因となり、腎臓が障害される病気です。糖尿病も血糖コントロールが不十分な場合、動脈硬化が進行し、腎障害を引き起こします。
 この他にCKDの危険因子として挙げられるのが、喫煙や加齢、コレステロールなどの脂質異常、肥満などですが、実は、これらはいずれも動脈硬化の危険因子にほかなりません。すなわち、腎臓の動脈硬化がCKDを引き起こすと言っても過言ではありません。したがって、CKD予防のキーワードは、血圧、血糖値、肥満、喫煙、コレステロールなどということになり、これらはまさに、生活習慣病の予防と一致します。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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