腎臓について2 平成21年11月1日号

 先月号から腎臓についてのお話をさせていただいておりますが、早くも何人かの患者さんから「マイライフ読みましたよ」と言っていただき、改めて反響の大きさに驚いています。気軽に引き受けた連載ですが、「これは下手なことは書けないなあ」と少し緊張しています。
 さて、今回は腎臓の特徴についてもう少し触れたいと思います。腎臓は本来、我慢強い臓器で、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。その意味は、少々傷んだくらいでは病気のサイン(つまり自覚症状)を出してくれないということです。しかし、一度、大きな障害が起こってしまうと、なかなか再生してくれないという厄介な臓器でもあります。ですから、腎臓疾患の治療には、早期発見が重要です。
 病気のサインが出にくいと書きましたが、実際には早い段階で尿検査に異常が出ていることが少なくありません。学校検診や健康診断で必ずする検尿の重要性がここにあります。ほかにも肉眼で確認できる尿の異常として、色やにおいがおかしい、量が極端に多い、または少ないなど、いつもと比べて「何か変だな」と感じた時は、そのままにせず、専門医の診察を受けるようにしてください。
 腎臓疾患には腎臓内科医や小児科医が専門とする病気も数多くありますが、次回から主に泌尿器科医が扱う病気についてお話しします。はじめは腎臓の腫瘍についてです。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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