枚方公済病院シリーズ:慢性硬膜下血腫
頭部を強く打撲して頭蓋内で出血していないか心配で病院を受診されることがあると思います。 必要があれば頭部CTで確認し、出血が無ければひと安心ですが、実は頭部打撲後に頭蓋骨直下の硬膜下という部位に何日もかけてゆっくりと出血が進むことがあります。血の塊(血 種)が大きくなって脳を圧迫して危険なことがあり、慢性硬膜下血種と言われます。 通常頭部打撲後3週間から3か月くらいの忘れた頃に症状が出てきます。頭部違和感・気分不良・認知力低下・片側の麻痺・歩行困難などが出現しますが、いずれの症状もゆっくり進行してくるので見過ごされることも多いです。 診断は頭部CTやMRIなどの画像診断になります。血種の大きさ、症状の強さや進行の速さから手術が検討されます。血種は頭蓋骨と脳の間にできますので通常は頭蓋骨に小さな穴を開けて血種を吸い出す手術が行われます。 慢性硬膜下血腫は高齢者やアルコール常飲者に多く、認知症がある方の場合は転倒・打撲されたことも不明なことがあるので注意が必要です。 頭部打撲後、しばらくして調子が悪くなってくるようなら病院に相談ください。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科
枚方公済病院
枚方市藤阪東町1丁目2番1号
TEL 072-858-8233