世界経済の行方 平成19年12月15日号
最近、ニュースなどで、原油価格と穀物価格の高騰に関する話題がよく取り上げられていますね。理由としては、世界規模での地球温暖化による異常気象や地域紛争、中国やインドの急激な経済発展、投機マネーの流入などさまざまな要因が考えられます。
原油や穀物の市場価格の上昇は、ガソリンや航空運賃、食用油やマヨネーズ、ハム、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどの価格上昇につながって生活をおびやかします。
米国エネルギー省によると、主要先進国における2007年度末の石油在庫は1999年以来の低水準になる見通しであり、原油、石油、石油製品のすべてにおいて、世界需要の拡大に供給が追い付かない構図が出来上がりつつあるということです。また、原油価格の高騰により、代替エネルギーとして注目されるバイオ燃料の製造が世界規模で拡大しており、本来は食品の原料である大豆や菜種などがエネルギーとして大量に使われるので、将来的なインフレ(物価高)を指し示していると考えることもできます。
前述したように、これらの価格の高騰には投機マネーが絡んでいて、最終的な規模や継続期間も定かではありませんが、私たちの日常の生活に大きく影響を与える経済の大きな潮流が現在、一つの節目を迎えていることは確かだと言えるのではないでしょうか。今後も、世界の動きに注目していく必要があります。
実践!ライフマネジメント
日本ファイナンシャルプランナーズ協会会員
下北 行則さん
〈プロフィール〉
酪農研修を修了しカナダから帰国後、上級ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得、独立系FPとして活躍中。
目標は世界を視野に入れたFPビジネスの展開。