ケベック・モントリオール滞在記3 平成18年6月15日号

 カナダの景気が好調です。景気の好調によりカナダドルの価値も上がり、以前は1アメリカドルに対し、70セント後半だったのが現在は90セント近くまで上昇しています。日本円に対しても以前と比べるとかなり強くなっています。
 通貨の価値の上昇と共に景気の好調を肌で感じる事ができます。例えば、モントリオールの近郊の街には目の飛び出るような大邸宅がどんどん建設されています。また、国民の消費行動もかなり活発になっており、ショッピングモール街はどこも買い物客で目立っています。
 消費行動が活発化していく中で物価の上昇に伴い、賃金のレベルもアップしています。例えば一般の工場の時間給は日本円に換算して1500円位まで上昇しており、これは現在の日本の工場で働く場合の時間給の倍近いレベルです。
 このようなカナダの好景気の要因はいろいろと考えられますが、その一つに若い移民たちの豊富な労働力と購買力が挙げられます。カナダは以前より世界各国から多くの移民を受け入れています。移民の人たちはカナダで骨を埋める覚悟で来ているので、必死に働き、豊かな生活を目指し、消費行動が非常に活発です。
 それに比べて日本においては、移民ではなく一時滞在という形で外国人労働者を受け入れているため、低賃金でも構わず働くので、全体の賃金レベルも必然的に下がってきます。また、彼らは一時滞在なので、日本国内での消費行動を極力抑えます。近い将来に母国に帰る事になるのですから当然の事です。
 両国にはこのように外国人に対する政策の違いがあり、一概にどちらが良いのか悪いのか判断する事はできませんが、カナダのやり方は将来における国力を維持するという点では見習うところがあるでしょう。

実践!ライフマネジメント
日本ファイナンシャルプランナーズ協会会員
下北 行則さん

〈プロフィール〉
酪農研修を修了しカナダから帰国後、上級ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得、独立系FPとして活躍中。
目標は世界を視野に入れたFPビジネスの展開。

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