意識障害

今回は意識障害の話です。
 「反応(意識)」がはっきりしないものの普通に「呼吸」をしている場合は心停止ではありませんが、もちろん救急車を呼んででも早期に医療機関に搬送し精査・加療が必要です。
 意識がすぐに回復しない状態は意識障害といわれ、重篤な疾患を発症している可能性が高いです。
 原因疾患は実に様々で、脳卒中(脳出血・脳梗塞・クモ膜下出血など)、脳炎・髄膜炎、急性の肺疾患や心疾患、低血糖、高血糖、低ナトリウム血症、高度の脱水、高度の腎不全、高アンモニア血症
(肝不全)、薬物中毒、泥酔、けいれん発作、ヒステリー(心理的反応)などです。
 持病・発症状況・身体所見・検査結果(レントゲン・心電図・採血・頭部CTなど)から原因疾患を探りながら治療に当たります。
 多くの場合は原因疾患を特定できますが難しいこともあり、頭部MRIや脳脊髄液検査など特殊な検査を追加したり、原因が判然とせず経過を見ながら判断することもあります。
 重篤な疾患が多く、原因疾患の特定が難しいことも多いだけに救急部門もしばしば頭を悩まされ、原因疾患によっては専門病院への転送も多いのが現状です。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:循環器内科

枚方公済病院
枚方市藤阪東町1丁目2番1号
TEL 072-858-8233

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