枚方工芸会50周年記念 匠の技、競演
第17回ひらかた工芸展
芸術と文化の秋。例年開催されている「ひらかた工芸展」(枚方工芸会・枚方市共催)が17回目を迎え、市民ギャラリーで9月26日から10月1日まで開かれました。
伝統工芸の発展と新たな工芸作家を育てようと活動する「枚方工芸会」(水田博幸会長、会員24人)の出品作品と一般公募作品の計104点が展示。また今回は、同工芸会の結成50周年にあたり、会のあゆみもパネル展示されました。同会を発足させ、発展に尽力した吉向蕃斎さん(90歳)と後継者の長男・秀治さん、次男・孝造さんが作陶する「吉向焼」の器は、緑の色が印象的で、彩りを添えます。
貝工芸作家・水田博幸さんは貝殻一枚一枚を重ねて花びらにした繊細な花の絵を。花の色の濃淡も貝の色で表現し、貝ならではの透明感のある細工がひときわ映えます。石橋整一さんのかわいらしくあどけない表情をした少女の彫塑や、彫金・日本人形・木工等々、会場には力作が並びました。
同会員で染色家の中田ふみよさんの紅型染「青海波」は深い藍色で鮮やかな海、細やかな線でいきいきと舞う波を表現。沖縄出身の彼女は枚方で紅型染を指導し、「若手の作家を積極的に育てていきたい」と語ります。
同展は見る人に感動を与え、毎年楽しみに観賞に訪れる人が多く、「この展覧会が工芸に親しむきっかけになった」という声も。会員たちは「素晴らしい作品を見て、技を磨く励みになります」と話します。
工芸会が中心となり、作品展や研修会を通し、会員と市民が交流。伝統の文化が枚方でしっかりと継承されていきます。