漢方の視点:古血(ふるち)
古血と言えば、ご高齢の女性ならばたいていの方はご存じでしょう。また血の道とも大いに関係しています。
川の水は滞りなく流れることでその役割を果たし、滞ればたちまち悪臭を放ったりします。同様に漢方では、気と血と水がバランスを保って、滞りなく流れることが正常な健康体を維持し、崩れると病気になると考えます。この血の滞った状態が古血です。
具体的には目の下の隈、顔の色素沈着、皮膚の荒れやざらつき、毛細血管の拡張、唇や歯肉、舌の暗赤色化、痔、月経障害、独特のお腹の抵抗・圧痛感、口が渇きやすい、血色が冴えない、お腹の膨満感などの症状と漢方的証を診て判断します。
最近はそれぞれの項目が点数化されていて、合計21点以上を古血と診断します。
目の下の隈はこれだけで10点ですし、月経障害も10点ですので、女性は必然的に古血にかかりやすいのです。
漢方では女性は常に古血の有無に注意する必要があります。特に目の下の隈は一般的には疲れた時のものと思われていますが、漢方的には以上のような意味が含まれ治療対象です。お気軽にご相談ください。
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プロフィール
(医)松徳会 松谷病院
小山 誠次 先生
昭和51年岡山大学医学部卒業。現在、(医)松徳会くにみが丘クリニック院長・(社)日本東洋医学界専門医・指導医。
『古典に生きるエキス漢方方剤学』5冊目を出版
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〈お詫び〉
マイライフ新聞社が7月1日号で題名の読み仮名を誤り、記載致しました。執筆者及び関係者の方々にご迷惑をお掛け致しましたことをお詫び申し上げます。