物忘れ外来のご案内 平成21年8月1日15日合併号
人間誰しも年を取ると物忘れが多くなってきます。特に中高年以降になると、人の名前を思い出せなくなったり、物の置き場所を忘れてしまったりします。同じことを何度も言ったり尋ねたりします。こんな時は、ぼけてしまったのではないかと心配になります。
しかし、物忘れの多くは正常な老化現象によるもので、知能や精神機能が低下する認知症とは異なります。物忘れを自覚できている間は認知症の心配はほとんどありません。認知症では物忘れの自覚そのものがなくなってしまいます。また、認知症では、今見たものや聞いたことが何だったのか思い出せません。例えば、正常な老化現象では朝食の内容を忘れてしまっても、ヒントを与えられると思い出すことが多いのですが、認知症では食べたこと自体を忘れてしまうことが多いのです。
しかし急速に物忘れがひどくなってきたという場合には、慢性硬膜下血腫や脳腫瘍などを疑わなくてはなりません。また、うつ病や神経症にかかると、集中力や判断力が低下するために物忘れが目立つようになりますし、常用している薬によっても物忘れの原因となることがあります。これらの物忘れは治療により治る可能性のある物忘れであって、一般に認知症といわれる物忘れとは異なります。
最近、物忘れが目立ってきたようなら、物忘れ外来を受診されることをお薦めします。
診特定医療法人 三上会 総合病院 東香里病院
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