腎臓移植 平成20年12月15日号
移植療法は多くの疾患において現代の医療で行える最終的な治療法と言えます。腎臓移植もまた透析と並んで腎不全の最終的な治療法です。健康な人(親族もしくは夫婦に限られる)から臓器の提供を受けることを生体腎移植、心臓死・脳死した人から提供を受けることを献腎移植と言います。
腎移植希望者は非常に多く08年8月末までで1万1628人が登録されています。腎移植は心臓や肺・小腸などと比べて非常に移植件数が多く、一般的な治療として定着しつつあります。
しかしこれは生体腎移植の増加によるもので、献腎移植数はあまり増えていません。07年の日本の献腎移植件数は187例であり、毎年1万例以上の移植を行っているアメリカと比べるといかに少ないかが分かると思います。
この理由の一つはドナー不足ですが、これを早急に改善することは困難です。そこで効果的に提供臓器が移植されるように「日本臓器移植ネットワーク」によって臓器搬送時間、組織適合性抗原、待機日数などを総合的に評価された上で公正・公平に移植先を決定されているのです。
移植費用は健康保険が適用され、そのほかに公費補助も受けられることもあります。腎移植の成績は免疫抑制剤の進歩などで年々良くなっています。腎移植は透析療法と比べて社会復帰・長期的医療費用の面で優れた医療ですが、免疫抑制剤の副作用やドナー不足など克服すべき問題も多いことを忘れてはいけません。
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