脂質異常症 平成20年3月15日号
「脂質異常症」は、以前
「高脂血症」と呼ばれていた生活習慣病の一つで、血液検査で①LDLコレステロール高値②HDLコレステロール低値③中性脂肪高値のいずれかで診断されます。コレステロールにはLDLとHDLがあり、LDLはいわゆる「悪玉」で血管壁に蓄積し、動脈硬化を促進させます。HDLは「善玉」で血管壁の余分なコレステロールを取り除き、動脈硬化を予防します。脂質異常症があると、動脈硬化症が促進され、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症(足壊疽)などを起こします。
治療は、生活習慣の改善(食事・運動・生活の3本柱)から始まります。食事はバランス良く、規則正しく、カロリー・コレステロールを制限し、食物繊維を多く取るようにします。具体的には①暴飲暴食を避け腹八分、②コレステロールの多い食品(卵黄、魚の卵、レバー、肉の脂身、バター、生クリームなど)を控え、③天ぷらやフライを控え、④野菜・きのこ・海藻・こんにゃくなどを多く取ることです。運動は、歩行なら1日60
00歩、30分。週4日以上を目標とし、最初は軽く
徐々に増やし、心拍数は120/分を超えない範囲で行います。生活は、禁煙し、アルコールは適量に抑え、規則正しい生活を送ることです。生活習慣を改善しても脂質異常が改善しなければ薬物療法を行います。また動脈硬化症の危険因子には、高血圧、喫煙、肥満、糖尿病などもあり、危険因子の数が多くなるほど危険度も高まりますので、より厳格な管理が必要となります。
診特定医療法人 三上会 総合病院 東香里病院
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