胆石について 平成19年10月15日号
時代劇で「持病のシャクが…」と言って旅のお女中がお腹を押さえてうずくまるシーンがありますが、これらの多くは胆石発作と考えられています。 胆のうは肝臓でつくられた胆汁を一時的にとどめて濃縮する袋状の臓器で、濃縮の課程で胆汁成分が結晶となり結石ができやすいのです。
胆のうに結石ができても症状が出ない場合もありますが(サイレントストーン)、胆のう炎の原因になったり、中には総胆管に迷入して胆管炎を起こし、腹痛、発熱、黄疸などの症状が出ることがあります。また、長期間の炎症を繰り返すことで、胆のうが癌化する可能性も指摘されています。右上腹部(右肋骨の下辺り)の差し込むような痛みは典型的な胆石症の発作ですが、そのほかに、背中の痛み、肩こりなども胆石が原因であることもあります。
診断は比較的簡単で、腹部超音波検査やCT・
MRIなどの非侵襲的画像検査で正確な診断ができます。
手術は腹部に3か所から4か所の小さな穴を開けて、テレビモニター下で胆のうを摘出します。1時間前後で終了し、術後は数日で退院可能です。
江戸の昔のお女中ではありませんが、現代でも旅先、特に海外での胆のう炎の発症は現地での緊急手術を要する場合もあり、大変な負担になります。発作を経験した方は早めの治療がすすめられます。ご相談ください。
診特定医療法人 三上会 総合病院 東香里病院
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