脂肪肝 平成18年12月15日号

 健診受診者の約2割に肝障害があり、その多くが脂肪肝であると言われています。脂肪肝とは肝細胞に中性脂肪がたまった状態で、以前はアルコールによるものが主だったのですが、近年、肥満、糖尿病、高脂血症によるものが多くなってきています。これはまさに飽食と運動不足の現代社会で注目され始めたメタボリックシンドロームの状態です。
 過食や運動不足で生じた過剰な栄養は中性脂肪に変換され脂肪組織に蓄積されます。そこがいっぱいになると、肝臓などの内臓に蓄積され、肝臓は脂肪肝になります。これにインスリン抵抗性や酸化ストレスなどの因子が加わると、肝細胞障害、肝繊維化、肝発がんを起こします。
 血液検査でAST、ALT、γ-GTPの軽度上昇を指摘され、さらに肥満、糖尿病、
高脂血症、高血圧などの合併症があれば、あなたの肝臓は脂肪肝である可能性があります。エコーやCTで確認しましょう。
 治療の基本は肥満の改善です。食事療法では、摂取カロリーを標準体重〈身長()×身長()×22〉あたり一日25~35
キロカロリーに制限します。運動療法では有酸素運動が有効で、ウォーキング、ジョギング、水中歩行などを連続20分以上軽く汗ばむ程度に行います。全力疾走は無酸素運動ですすめられません。薬物療法はまだ確立されたものはありませんが、インスリン抵抗性改善剤、抗酸化作用を持つビタミンCやE、高脂血症治療薬、ウルソやEPLなどの肝臓用薬、血圧降下剤のARBなどが使用されます。
 脂肪肝になってからあわてるよりも、ならないように日々の生活に気を付けましょう。

診特定医療法人 三上会 総合病院 東香里病院
枚方市東香里1-24-34 TEL072-853-0501
http://www.higashikouri-hp.com 

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