【星降る丘から健康便り】緩和ケア① 生活の質の向上を目指す

こんにちは。星ヶ丘厚生年金病院緩和ケア科の塚原です。「緩和ケア」って、和洋折衷の何だか変な言葉ですよね。意味も誤解が多いのですが、以前は、抗がん治療など病気そのものの治療ができなくなった時に、苦痛だけを和らげる、終末期の対症療法というように受け取られていました。
でも今では「がんの診断と同時に、生活の質の向上を目指して始めるもの」、という考えが広まりつつあります。
2006年には厚労省より、基本的な緩和ケアは、「誰でも」「早期から」「場所を問わず」受けられるようにするべき、との方針が打ち出されました。
また2010年には米国で、肺がんで抗がん治療と併行し、早くから緩和ケアを受けた患者さんが、受けなかった方に比べて苦痛が少なく、生命予後も延長したと報告されました。
緩和ケアはがんそのものを消滅・縮小させる治療ではありませんが、生活の質を高めるという方向性は抗がん治療と一致しています。併行することで苦痛がなく、体が楽な状態でがん治療を受けるほうが良い結果につながることが分かってきたのです。
私たちは、がん患者さんとご家族が、体と心の荷物を早いうちから少しでも軽くされるお手伝いをしたいと考えています。
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緩和ケア科部長 塚原 悦子先生
日本ペインクリニック学会認定専門医 日本緩和医療学会暫定指導医 日本麻酔学会麻酔指導医
星ヶ丘厚生年金病院
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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