パニック障害 平成18年4月15日号
最近テレビの特集で取り上げられたり、一部の著名人がこの病気を患っている事を明かしたりと、少しずつ「パニック障害」の名が広まってきました。パニック障害とはある日突然息苦しさ、動悸、めまい、発汗、吐き気、胸の痛み、しびれ、ほてりなどさまざまな体の症状とともに、このままでは苦しくて狂ってしまうのではないか、死んでしまうのではないかという強烈な不安・恐怖が襲ってくる病気です。このような発作はほとんどの場合数分程でピークに達し、徐々に治まってきますが、その後何度も繰り返し起こるのが特徴です。
いったん発作が町や電車の中で起こると、患者さんは同じ場所に行く事を避けるようになり、またいつ同じ発作が起こるか分からないという不安を持ち続ける事になります。こういった恐怖、不安がストレスとなり、不眠やうつを併発する場合もあります。
心臓発作にも似た激しい症状のために、最初は病院を受診すると心電図、血液検査、CTなど様々な検査を受ける事が多いですが、症状の根拠となる異常な部位は発見されません。そのため、従来は不安神経症や自律神経失調症、心身症などと診断される事も多かったようです。パニック障害は脳の神経バランスを整える薬などの薬物療法が奏効する事があり、恐怖感や不安感がそれほど強くない初期のうちに治療を開始した方が効果的です。内科などの検査で問題ないと言われたにもかかわらず、このような発作が何度か続くようであれば、早めに精神科・心療内科で相談されることをおすすめします。
診特定医療法人 三上会 総合病院 東香里病院
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