【星降る丘から健康便り】眼科③遠近両用眼内レンズ
人間は外界の情報の約80%を視覚から得ていると言われています。パソコンやスマートフォンなど、近年のデジタル社会では見る力の重要性が増しています。一方で、人間の目は老化によりだんだんと見えにくくなっていきます。
その原因の一位は白内障です。白内障は字がかすんだり、テレビの字幕が見えにくくなります。
現在、効果的な治療は手術しかありません。わが国では一年間に約100万人が白内障手術を受けられています。目の手術は怖いと思われる方もおられますが、最近の手術は超音波装置を用いて行う方法に変わり、手術時間は大幅に短縮、安全性も高くなりました。痛み止めの麻酔は目薬ですので、昔のように目に注射したりしないので痛くはありません。目の中に人工レンズが入りますが、技術革新も目覚ましく、乱視の強い方には乱視矯正用人工レンズや、老眼を軽減するような遠近両用人工レンズが使えるようになりました。
遠近両用人工レンズは遠くも近くも見えるので、眼鏡が要らなくなりますが、夜はにじんで見えたり、細かいものを見るのは苦手ですのでそのような仕事をされる方には不向きです。逆に細かい仕事はしないが、趣味がゴルフや温泉、家庭菜園など、眼鏡なしで遠くも近くも見たい人に適したレンズです。遠近両用人工レンズは保険診療ができませんので担当医にご相談ください。
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医学博士部長 大浦 淳史先生
日本眼科学会専門医・眼科PDT認定医・身体障害者福祉法指定医
星ヶ丘厚生年金病院
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641
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