「誰が一番好き?」 長所を伝えて褒める
Q 3人の子どもがいるのですが、幼稚園児の末っ子が「お年玉の金額がお兄ちゃん、お姉ちゃんに比べて少ない。だからボクはお父さん、お母さんに嫌われている」と泣き出しました。このような場合にどう言い聞かせれば良いでしょうか?
A 正月早々「初笑い」ではなくて「初泣き」だったのですね。お年玉…確かに年齢によって、またその家庭の経済状態によって差異はあるでしょうから、ここで私が「お年玉適正金額は?」のご質問にはお答えできかねます。ただ、兄弟間の中で「誰が一番好き?」の質問は避けて通れない道です。
さて、先の子どもの質問に「みんな大好き」とお答えになられるのが一般的なようですが、ここでもうひと工夫。「みんな大好き」と答えた後に3人兄弟なら、個々に持っている「長所」を伝えてあげるのです。例えば「お兄ちゃんは頑張って勉強する所が好き」「お姉ちゃんはお手伝いをしてくれる所が好き」そして末っ子には「あんたはお友達を大切にするところが好き」。これでかなり具体的になりました。
そのような褒め方をすると、人間は、特に子どもは「お母さん、お父さんからもっと褒めてもらいたい」と思い、兄や姉の良いところをまねるようになるのです。ご存じの通り「学ぶ」の語源は「まねる」です。このまねることを「モデリング学習」と言い、かなりの効果が出ます。
来年のことで鬼が大笑いするかも知れませんが、「誰が一番好き」と問われる前に、子ども一人ひとりの長所を伝えながら、また昨年頑張ったことを褒めながらお年玉を渡されてはどうでしょうか?決してお年玉を渡した後に「無駄使いはダメ」と言わないでください。「初叱り」になってしまいますので…。
こころの教育Q&A 子どもの心理を知ろう
家庭教育専門カウンセラー 深田 昭一 さん
心理分析室 深田昭一事務所
TEL 06(6942)0605
大阪青年会議所会員(文化都市推進委員)
元暴走族から更生、教師を経てカウンセラーに転身。現在、カウンセリング、並びに各地での講演活動を実践。テレビ、ラジオなどにも出演。