光が見える 平成19年7月1日号
「視野の中にキラキラした光が見える」と受診される方が時々おられます。
この原因として最も多いのは、『後部硝子体剥離』と呼ばれる現象に伴う光視症です。
眼球の中は硝子体という透明なゼリー状のもので満たされていますが、この硝子体が加齢とともに収縮し、網膜からはがれてくるのです。これに伴って、硝子体と癒着していた網膜がけん引され、光を感じるといわれています。
この『後部硝子体剥離』が生じる前兆としてのせん光や火花は、特に暗い所で自覚しやすく、反復性で、持続時間は短く、いつも視野のほぼ同じ所に出現します。黒いものが飛んで見える『飛蚊症』を伴うことが多いのも特徴です。
その次に多い原因は、片頭痛に伴う閃輝暗点でしょう。片頭痛は20から40歳代の女性に多く見られる疾患で、脳血管が収縮し一気に拡張することが原因と考えられています。
多くの場合、まず視野の一部にキラキラした稲妻のようなものが見えて数分間続き、それがおさまったころに頭痛が出現します。この症状は、両目共ほぼ同じ所に見えたり、目を閉じても感じたりします。まれに、明らかな頭痛を伴わない片頭痛もあるため、診断に苦慮することがあります。
そのほか、網膜やぶどう膜、視神経の病気、まれに脳の病変でも、光が見えることがありますから、治療を必要とする病気が隠れていないかどうか、チェックすることが大切です。
きたの眼科:北野保子院長
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