枚方公済病院シリーズ:肝障害

血液検査でGOT(AST)・GPT(ALT)という項目があって、数値が高いと肝臓に障害があるとされます。何らかの原因で肝臓の細胞が壊れると、その中に多く存在するこれらの血液中の数値が高くなり、高いほど問題です。
肝障害の原因はたくさんあります。腹痛や発熱などの症状を伴えば、胆のう炎・胆管炎・急性肝炎などの急性疾患を疑って、すぐにでも精査・加療が必要です。特に症状が無く、再検査で正常に改善すれば問題ありませんが、症状が慢性的に続くようであれば原因の評価が必要です。特に100を超える数値が続いたり、増加傾向があるときは早めの対応が必要です。
慢性肝障害の原因にはB型・C型肝炎を含むウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、脂肪肝、薬剤性肝炎、自己免疫性肝炎などがあり、問診とより詳しい血液検査、エコーやCTなどの画像検査で評価されます。治療は原因によって異なります。
慢性の肝障害は、通常症状がありませんが、長期間持続すると肝機能が低下して肝硬変への進行、肝がんの発生の可能性があります。肝硬変になると全身倦怠、食欲不振、黄疸、腹水などの症状が出てきて完治はしません。肝障害を指摘されれば医療機関に相談ください。

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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科

枚方公済病院
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