脳卒中について7~脳梗塞のカテーテル手術~ 平成24年3月15日号/杉浦 史郎先生
今回は脳梗塞(血管が詰まって起こる脳卒中)に対するカテーテル手術についてお話します。
脳梗塞の初期治療は血をさらさらにする薬などの点滴で脳血流の改善を図ることになります。しかし、脳の太い血管が詰まる重症の脳梗塞の場合、点滴治療では十分な効果が期待できず、そのままでは重い後遺症により寝たきりとなったり、数日中に致命的となったりすることもあります。そういう場合、点滴治療に加えてカテーテル手術を検討します。
具体的にはカテーテルと呼ばれる直径1ミリ前後、長さ1メートル程度の軟らかい管を足の付け根から体内へ入れ脳の血管まで進め、小さな風船で血管を広げたり、ステントと呼ばれる軟らかい金属製の筒をはめ込んだり、血栓を吸い出したりします。
ここ数年で新しいカテーテルが開発されてきており、より効果的な治療法として注目されています。カテーテル手術により重い症状が劇的に改善する場合もありますが、残念ながら全ての患者さんで有効という訳ではありません。 血管の老化がきつい場合は、手術そのものができませんし、脳が重いダメージを受けてしまう前の発症数時間以内に行なわなければ治療効果がないばかりか、重い合併症が起こりかねません。ですから、脳卒中を疑う症状が出た場合は一刻も早く専門病院を受診することが大切です。
星ヶ丘厚生年金病院
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641
医学博士・部長 高橋 務先生
医学博士・副院長 福永 隆三先生
医学博士・副院長 救急部長 森川 和要先生
医学博士・脳卒中内科 吉川 健治先生
部長 本田 雄二先生
内科部長 清水 義臣先生
医長 杉浦 史郎先生