目薬の副作用 平成18年9月1日号
どんなお薬にも、いい面とそうでない面があります。目薬だって例外ではありません。
例えば、眼科の診察でよく使われる散瞳薬は、眼底の精査をするためになくてはならないものですが、診察が終わった後も3~4時間瞳孔が開いたままになるので、手元が見にくかったり屋外でまぶしく感じたりします。
また、ステロイドという薬は上手に使うととても素晴らしい威力を発揮する優れものなのですが、あまり漫然と長期にわたって使い続けると、白内障や緑内障を引き起こす事があります。緑内障の治療で使われる目薬の中にも、視野が暗くなる、まぶたに付いたまま放置すると、黒ずみを生じる、ぜんそくや心不全が悪化するなどの副作用を生じる可能性のあるものもあります。
点眼後の最も多い訴えに〝しみる〟というものがありますが、単に〝しみる〟というだけでは、そのお薬がよく効いているからとも、逆に目に合わないからとも一概には言えません。一般に、点眼直後しみるだけならば問題はありませんが、30秒以上たってもしみ続ける時や充血が続く時は、角膜に傷が生じている可能性があります。そのほか、点眼後充血やまぶたの腫れが起こり、点眼を重ねるごとにひどくなっていく時には目薬に対するアレルギーが考えられます。
副作用を最小限に抑え、効果を最大限に引き出すべく、上手に目薬を使っていくためにも、点眼後何らかの気になる症状が認められた場合には、速やかに点眼を中止し、医師に相談してみてください。
きたの眼科:北野保子院長
診療所では、場合により在宅医療、往診にも対応。電話予約、電話相談にも応じる。星ヶ丘厚生年金病院、そのほかの病院との病診連携を行っている。
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