星降る丘から健康便り:元気がなくなったけれど、 認知症なのかな?
コロナ禍で多くの生活上の制限がある中で、人とのふれ合いが少なくなったと感じる方も多いのではないでしょうか?もの忘れ外来を受診されたご家族から緊急事態宣言を機に外出や散歩を控えるようになり、「元気がなくなった」「もの忘れが強くなった」と相談を受けることが多くなっています。
ご家族が「反応が鈍くなった」と心配して受診された患者さんがいました。しかし実は、難聴によって聞こえにくくなっていたことで、「何度話しかけてもぼんやりしている」とご家族が誤解されていました。その方は耳垢除去や補聴器・集音器の活用で反応が良くなり、ご家族の心配事が改善できました。
また「元気がなくなった」「もの忘れが強くなった」と心配して受診された方では、脱水による電解質の異常や胃腸障害によるビタミンB欠乏による影響を受けて、認知症のような症状が出ていたことがありました。その方たちは、内服薬が処方され改善に向かわれています。「急に歩きにくくなった、認知症が強くなった」と受診された方では、1、2か月前に転倒した際の頭部の慢性硬膜下血腫による影響を受けていたことが分かり、手術により改善につながった方もおられました。認知症の原因となる疾患は多数あります。治療が困難な疾患もありますが、早期に原因が分かることで治療可能な疾患もあります。ご家族で困っていることがありましたら、まずはかかりつけ医やお近くの専門機関を受診し、相談されることも大切です。
JCHO星ヶ丘医療センター
認知症看護 認定看護師 中野 加代子さん
JCHO星ヶ丘医療センター
枚方市星丘4の8の1
TEL 072-840-2641