凛と、癒やしの音色響く「河内風鈴」
「河内風鈴」 菅 二彌(かん つぎひろ)さん(72歳)
どこか懐かしく優しい、涼やかな風鈴の音色。夏真っ盛り、交野市妙見坂の住宅街にある「河内風鈴」に、菅二彌(72歳)さんが廃ガラスをリサイクルして作った風鈴がにぎやかに並びます。枚方の津田で生まれ育った菅さんは、結婚を機に東大阪へ。23年前に芸術大学でガラス工芸を学んだ娘のために窯を手作りしたのをきっかけに、自らもガラス工芸の世界へと飛び込みました。2年前に故郷の近くでより広い工房をと、現在の地に拠点を移しました。
廃材になったお酒や化粧水の空き瓶を砕き、1200度以上の窯で溶かし、吹き竿でふくらませ、火箸で形を整えたりと、熱い窯のそばで力作業を繰り返します。良い音色にするために凹凸を作り、薄く仕上げた風鈴は色とりどりで、形も音色もひとつひとつ違った味わいがあります。
毎年冬に約1300個の風鈴を作り、春から全国各地のお祭りやイベントで販売。各地の人たちと交流し、海外の人にも喜ばれ、1年間で完売するほどですが、今年はコロナの影響でイベントが相次いで中止、7月の京都・千本釈迦堂の陶器市が初めてのイベント参加になりました。
元々風鈴は、唐の時代に仏教と共に中国から日本に伝えられた、邪気を払うためにお寺の塔の四隅につるされる「風鐸(ふうたく)」が起源で、厄除けになるといわれています。風鈴の文化、日本のものづくりの文化を守り残していきたいと、菅さんは風鈴を作り続けます。「コロナに負けず、夏を乗り切れますように、人々が美しい音色で癒されますように」と願いを込めて。
工房で直接購入、風鈴作り体験(要予約)もできます。
予約はフェイスブック 河内風鈴 へ