吉田医療新聞:不整脈による心不全 ー加齢に伴う心房細動に要注意ー

新型コロナウイルスも鎮静化の兆しが見え、日常生活が戻りつつあるのではないでしょうか。今回は不整脈、中でも心房細動が原因で起こる心不全についてお話します。
心房細動とは左右の心房が小刻みにけいれんし、心房から心室へ十分に血液が送れなくなる不整脈の一つで、加齢に伴い増加する病気です。心房細動になると、脈がバラバラで速くなり(1分間に100〜150回程度)、動悸や胸の違和感が出やすくなります。心房細動では心室が機能しているのですぐに死に至ることはまれですが、放置すると心室が疲弊して、心不全に至ることがあります。
もう一つ心房細動を放置することで問題となるのが脳塞栓です。心房がけいれん状態になると血液がうっ滞するため心房内に血栓ができやすくなり、血栓が脳の動脈まで運ばれ、脳塞栓となります。とはいえ心房細動は適切な治療を行えば心不全や脳塞栓を予防できますので早期発見・早期治療が重要となります。
心房細動を疑ったら、手首の内側の親指側に3本の指を当てて脈を取ってみましょう。脈が不規則に乱れていたり、速くて取りづらい場合は心房細動かもしれませんので医療機関を受診してください。

毅峰会 吉田病院(枚方市北中振3-8-14)
TEL 072-833-1831
循環器内科部長 木戸 淳道

京都府立医大医学部卒業
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医・施設代表医

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です