枚方公済病院シリーズ:認知症

誰でも加齢とともに脳機能は低下しますが、それを上回る記憶・理解・判断などの障害が生じ、日常生活に不都合が出てくると認知症が疑われます。
認知症の有病率も加齢とともに上昇し、60歳台では数%ですが、80歳で20%を超え、90歳では50%を超える、誰もがなり得る病気です。
認知症の原因は多数ありますが、アルツハイマー型、レビー小体型、脳血管型の3つが多くを占めます。
アルツハイマー型は記憶障害が目立つ、レビー小体型は幻視やパーキンソン病様の運動障害を合併しやすい、脳血管型は麻痺や言語障害など一部の強い障害が目立つなどの特徴があります。
残念ながらいずれも徐々に進行していきます。それぞれのタイプにお薬もありますが、認知症自体の改善までは難しく、進行を遅くしたり、さしあたりの不都合な周辺症状(不眠・不安・興奮など)を緩和するまでです。
医療機関での診断や投薬も大事ですが、本人と周りで関わる人たちがこの病気を理解して、お互いにストレスなく上手に過ごすことが肝要です。利用できれば介護サービスも有効です。本人の考えや不安を含む心理を尊重した上で、本人が不得意なことを補助してあげることが必要です。
……………………
救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科

枚方公済病院
枚方市藤阪東町1丁目2番1号
TEL 072-858-8233

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です