吉田医療新聞:心臓カテーテル治療⑮ エコノミークラス症候群(急性肺塞栓症)

先般の大阪北部地震から早2週間が過ぎましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今回は災害時に起こりやすい病気の1つである「エコノミークラス症候群」についてお話します。
「エコノミークラス症候群」は正式名を急性肺塞栓症といいます。避難所や乗り物の中で、御手洗いに行きたくないため水分摂取を控えて長時間座ったままでいると血行不良で足の静脈に血栓ができてしまい、いざ立ち上がった際にその血栓が移動し、肺の動脈を閉塞してしまうことで起こります。命に関わることもあるため、「突然の呼吸困難や胸痛」が起きた時には救急車を呼び早急に医療機関を受診することが必要です。CTやエコー検査を行うとすぐに診断がつきます。
治療法はお薬で血栓を溶かすことが主ですが、溶けきらない時はカテーテルで血栓を吸引したり破砕したりすることもあります。何よりも予防が重要ですので、水分補給をこまめに行い(アルコールやコーヒーは逆に脱水を招くのでダメ)、時々手足を動かして軽いストレッチを行うようにしましょう。  最後になりましたが今回の地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

毅峰会 吉田病院(枚方市北中振3-8-14)
TEL 072-833-1831
循環器内科部長 木戸 淳道

京都府立医大医学部卒業
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医・施設代表医

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