腎臓について1 平成21年10月1日号
今回から、百瀬均院長補佐の後を引き継ぎ、泌尿器関連の話題をお届けする、大山と申します。よろしくお願いします。
私からは、特に腎臓についてお話をさせていただこうと思います。腎臓は後腹膜腔(胃や腸を包んでいる腹膜の後ろ=背中側)に左右一つずつある臓器です。大きさは10×5程度で、重さは一つ130gぐらいです。こんなに小さな臓器ですが、循環血流量(体全体を流れている血液の量。1分間に約5000ml)の1/4~1/5に相当する血液が流れているという大変重要な臓器です。
腎臓の機能は大きく二つに分かれます。一つは尿の生成器官であることです。体内に生じた老廃物や有害物質を尿の中に排泄するだけでなく、尿をつくる際に体内の水分量や様々なミネラル(ナトリウムやカリウムなどの電解質)の調整を行うことで体の恒常性を維持しています。もう一つは内分泌器官としての機能です。腎臓は色々なホルモンを分泌することで、血圧の調節や造血などに関与し、また、ビタミンDという、骨の代謝に関連する物質の活性化にも関係しています。
このように腎臓とは、小さいながらも実に多様な働きをしていて、それゆえに、それらの働きが損なわれると腎不全をはじめ、多くの病気が起こります。そこで次回からは、代表的な腎臓疾患について、一つずつお話していきたいと思います。
泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641