過活動膀胱について1 平成21年2月1日号

 今回は過活動膀胱についてお話しましょう。この病名は泌尿器科で扱う色々な病気の中でも、最新の病気で、02年に生まれました。とは言っても、新型インフルエンザのように全く新しい病気の出現ではなく、病気自体は以前からあったのですが、その概念が整理され「過活動膀胱」という名前が付いたのが02年なのです。さて過活動膀胱とは?
 急に尿がしたくなり、我慢ができない状態を尿意切迫感と言いますが、この尿意切迫感で困っている状態が過活動膀胱です。40歳以上の日本人の約12%が尿意切迫感を有し、その内の半数が尿意切迫感に引き続いて尿が漏れてしまうことが分かっています。日常の生活で、突然我慢できないような尿意を催したり、尿が漏れてしまうと大変困りますが、更に悪いことに、過活動膀胱の患者さんの大部分の方が、排尿回数の多い状態「頻尿」を伴っているのです。
 色々な排尿症状の中で、頻尿や尿意切迫感、尿失禁は、特に強く日常生活を障害することが、科学的な調査で明らかになっています。正に、困った症状が重なった状態が過活動膀胱なのです。
 過活動膀胱には多くの原因がありますが、大きく二分できます。一つは、脳卒中や脊髄損傷、パーキンソン病などのために排尿に関係する神経が障害されている場合です。もう一つは明らかな神経障害がない場合で、多くは原因不明ですが、男性では前立腺肥大症が関係していると考えられています。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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