花粉症の季節がやってきた! 平成17年3月1日号
眼はクシャクシャ、鼻はムズムズ、のどはイガイガ。春の訪れを告げるこんな症状は出てきていませんか?今や国民病とも言える花粉症の季節がやってきました。今年は、昨夏の猛暑の影響で、花粉の飛散量が昨年の20倍とも30倍とも言われています。
眼科で花粉症といえば、花粉が原因で起こるアレルギー性結膜炎のことを指します。「アカンベー」で見えるまぶたの赤い所から黒目の縁までを覆っているのが結膜です。結膜は、涙とまぶたの縁から分泌される脂様の物質でいつもぬれていて、角膜が乾いて傷つきやすくなるのを防ぎ、眼球の動きを滑らかにするという重要な役割を果たしています。ところが、いつもぬれているので花粉がくっつきやすく、鼻、のどの粘膜と同様に、アレルギー反応の多発地帯となってしまうのです。
眼の症状は、かゆみ、充血、目やにのほかに、眼のはれがあります。「子どもの眼が急にはれてきたんです!」
「白目がゼリーみたいに膨らんでいるんです!」と言って、びっくりして来院される方も多いのですが、これは眼がかゆくてこすったために起こるアレルギー反応で、結膜浮腫と呼ばれるものです。しばらくすると引いてきますが、このような症状が見られる時はできるだけ眼をこすらないように注意してください。冷やしたタオルなどを眼の上に置くと、幾分かゆみが治まってきます。
予防は、まず第一に風の強い日はなるべく外出を控えることです。外に出る時は、少しでも花粉の飛入を抑えるためにメガネやマスクを着用された方がいいでしょう。そして外出から帰ったら、衣類をはたき、花粉を屋内に持ち込まないようにしてください。また、洗眼をして花粉を目から洗い流すことも効果があります。
治療としては、安全な非ステロイド系の抗アレルギー薬の点眼が主流です。これらは花粉が飛散する2週間くらい前から点眼を開始すると、飛散期間中の症状を軽減してくれます。症状の強い方には、ステロイド薬の点眼を用いますが、効果が大きい反面、長期に投与し続けると副作用が現れることもありますので、それらをチェックしながら投与することが大切です。
以上のことに注意しながら、何とかこの季節を少しでも快適に過ごしてください。
きたの眼科:北野保子院長
診療所では、場合により在宅医療、往診にも対応。電話予約、電話相談にも応じる。星ヶ丘厚生年金病院、そのほかの病院との病診連携を行っている。
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