枚方公済病院シリーズ:気胸
突然に胸痛と呼吸苦を自覚する病気に「気胸」があります。
肺の表面に穴が開いて発症する病気で救急外来ではよく見かけます。肺の表面に穴が開くと、口や鼻から吸い込んだ空気が肺の周りに漏れてたまって、肺が膨らまなくなり、痛みや呼吸苦を自覚します。多量にたまると心臓や大動脈を圧迫して危険なこともあり、緊張性気胸と呼ばれます。
聴診で呼吸の音が左右どちらか片方で聞こえにくいことで疑われ、レントゲンやCTで診断されます。たまった空気がわずかなら自然に吸収されるのを待ちますが、多くなると肋骨の間からチューブを挿入して脱気して、肺を膨らませながら穴が塞がるのを待ちます。
1〜2週間待っても穴が塞がらなかったり何度も繰り返す場合は穴が開いたところを手術で切除したり、肺と胸壁を薬で接着できるように試みることもあります。
健常者でも肺の表面に数ミリの小さな風船(ブラ)ができることがあって、それが突然破れて発症しますし(なぜか長身の若年男性に多い)、中高年の喫煙者では肺気腫の合併と関係して大小様々なブラができて発症率が明らかに高く、肺自体も弱っているので重篤になって命に関わる可能性も高くなります。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科
枚方公済病院
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