枚方公済病院シリーズ:尿路感染症
感染症といえば病原体(ウィルス・細菌・真菌 など)が口や鼻から入って起こる咽頭炎・喉頭炎・気管 支炎・肺炎などの気道感染の頻度が高いですが、病原体が尿道から入って前立腺(男性のみ)・膀 胱・腎臓に炎症を起こす尿路感染症も比較的多く、特に女性は尿道が短いので好発します。
膀胱炎では排尿時痛・ 血尿・残尿感・頻尿などの症状が起こり、苦痛は強いですが発熱はあっても軽度です。病原体が膀胱からさらに細長い尿管を上がって腎盂や腎臓で繁殖すると腎盂腎炎が起こり、腰痛・発 熱・尿混濁を来たします。腎盂腎炎になると全身に炎症が及んで高熱が出て倦怠感も強くなり、悪化すると命に関わります。腎盂腎炎では、入院での抗生剤の点滴加療が原則必要です。
前立腺は男性性器の一つで膀胱の出口に尿道を取り囲むように存在して射精と排尿調節を行っていますが、ここにも病原体が感染することがあり、下腹部痛・排尿困難・排尿時痛・発熱を来たします。
通常尿路感染では尿中の白血球や赤血球が増加しますので症状に加えて尿検査が診断の助けになります。繰り返し尿路感染を起こす場合は尿路の構造異常があるかもしれないので泌尿器科に相談が必要です。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:循環器内科
枚方公済病院
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