ケベック・モントリオール滞在記4 平成18年7月15日号

 モントリオールでは、日本の文化(すし、マンガ、生け花や空手など)が、市民レベルでしっかりと根付いています。また、最近では、SUDOKU(数独=数字パズルゲーム)に大変な人気があり、本屋さんに行くと必ずと言っていい程、SUDOKUの本が目立つ場所に置かれています。私たちが考えている以上に日本のあらゆる文化が海外の人たちに浸透しているのが現状なのです。
 それでは「ヒト」のレベルではどうなのでしょうか。はっきり言うと、日本の文化に興味を持っている人たちはカナダでも非常に多いのですが、日本人自体に同等の興味を持っている人は非常にまれです。日本の文化や製品といった「モノ」については国際化が進んでいますが、「ヒト」については日本人が考えている程、国際化が進んではいないのです。
 モントリオールに住んでいる日本人にしても、とにかく地元社会での存在感が全く感じられません。日本人に比べて中国人やベトナム人、韓国人たちは、ハングリー精神やバイタリティーあふれる行動で広く、深く、地元社会での存在感を示しています。これはモントリオールに限らず、世界中の都市でも言える事でしょう。
 海外に住んでいる元気のない、地元の人たちに心から受け入れてもらえない日本人には、それなりの理由があります。主な原因を挙げると、①何事にも積極性が足りない、②日本人同士で行動する傾向が強い、③現地の人たちとの接触にコンプレックスを持っている事などが言えます。
 また、年齢層から見ると、若い年齢層の人たち程、右記に挙げた傾向が強くなっています。
 「国際化」とは、単に海外に行くだけでは身に着ける事はできません。真の日本人の「国際化」には、まだまだ時間がかかるでしょう。

実践!ライフマネジメント
日本ファイナンシャルプランナーズ協会会員
下北 行則さん

〈プロフィール〉
酪農研修を修了しカナダから帰国後、上級ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得、独立系FPとして活躍中。
目標は世界を視野に入れたFPビジネスの展開。

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