【星降る丘から健康便り】虚血性心疾患⑤ 心筋梗塞(急性冠症候群・ACS)

冠動脈狭窄(きょうさく)で虚血が反復する狭心症に対して、冠動脈が完全に閉塞することで心筋壊死をきたす病態を心筋梗塞といいます。心筋梗塞には、今まさに心筋の壊死が進行している急性心筋梗塞(AMI)と、既に壊死が完成している陳旧性心筋梗塞(OMI)があります。
動脈硬化によって血管壁に沈着したコレステロールなどでできたプラーク(粥腫)が破綻し、そこに血栓が付着して血管を塞いでしまう状態がAMIです。血栓は形成されてもまだ血管が完全に詰まっていない、AMIのひとつ手前の状態を不安定狭心症(UAP)といいます。AMIとUAPは同じ概念の疾患なので、これらを一緒にして急性冠症候群(ACS)と呼びます。
ACSが発症すると、大変強い胸痛が持続します。場合によっては意識消失してそのまま突然死することもあるので、直ちに救急車で病院受診する必要があります。
病院では、緊急心臓カテーテル検査をおこない、閉塞している冠動脈に対してカテーテル治療(PCI)を施行して血流を再開させます。少しでも早く閉塞した冠動脈を再開通することで、心筋壊死を防ぐことができます。血管治療が成功しても、不整脈が出現したり心筋壊死部が心破裂をきたす危険があるので、数週間の入院加療が必要になります。
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循環器内科部長 鷹野 譲先生
日本循環器学会認定専門医・日本心臓病学会特別正会員(FJCC)・日本心血管インターベンション治療学会認定専門医
JCHO星ヶ丘医療センター
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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